▲209系3100番台(左)と103系3000番台(右)の並び(やっちん様提供・転載禁止)
まず前提として、209系3100番台が置き換えた八高川越線の103系は、元々205系3000番台を7本投入することによって置き換えられる予定でした。そもそも209系3100番台は本来生まれることのなかった存在だったのです。
2003年のりんかい線増発・70-000形10両化によって、不要な車両が余りました。これがのちの209系3100番台なのですが、この他に山手線から武蔵野線に転属するはずだった205系1本が、東京臨海高速鉄道に直通する埼京線も増発するためにこちらへ転属するように変更されたのです。
このため当時進んでいた205系の大規模な転属計画は軌道修正され、結果的に八高川越線103系を置き換えるための車両が2本分不足することになってしまいました。
この穴埋めとして投入されたのが前述の理由で余剰となっていた70-000形を改造した209系3100番台でした。見た目は209系3000番台に似せてきていますが、70-000形特有のライトと先頭車の形状の違和は隠しきれておらず、異彩を放っています。
民鉄等の車両をJRが購入した例はこのほか北越急行→JR西日本の683系、高千穂鉄道→JR九州のTR-400形の2例しかなく、名実ともにいわゆる「迷列車」に分類されるのではないでしょうか。
八高川越線へのE231系3000番台・209系3500番台導入に伴い一時は2本とも運用から離れ別所で留置されていましたが、1本が帰区し運用に復帰、その1本が再び別所へ向かうとまた1本が帰区し運用に入る…という不可解な動きを繰り返したのち、2本とも川越に戻ってきています。置き換え用の編成は出揃いましたが、これらの車両にワンマン化改造工事が施工されている期間の予備車としてしばらく活躍しました。現在はその工事が終了し、今後に注目が集まります。
2021年4月1日現在、2編成8両が車籍を保持しています。
▼川越車両センター所属車
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